東日本大震災被災地輸入住宅被害状況アンケート調査結果

2012年1月18日現在

                                     
IHIO企画広報委員会

(1)調査概要
 本調査は、東日本大震災被災地における輸入住宅供給企業並びに被災入居者に対し、アンケートや聞き取り調査を通して輸入住宅被災状況を調べたものです。
 今後の復旧や復興に役立つ輸入住宅独自の情報として、お客様の生の声と建物の耐震性能等の被害状況をまとめました。
 今回の調査対象となる被害は、地震による強度変形、地盤崩壊、液状化、類焼などに分類される4分類に該当する建物被害を集計しました。その他のうち、津波による被害は、建物の強度等が判定できないため、原則除きましたが、特に、津波で基礎ごと流されたが、建物はそのままという案件については、紹介してあります。入居者の意見を聞き、供給者の総括的な意見としての回答をまとめたものです。
(2)調査結果概要
 30法人のIHIO会員に対し、昨年12月中旬より2012年1月10日までに回答のあった10企業会員の「建物供給者様用」アンケートをまとめた。
*アンケート回答企業名は巻末に掲載
*アンケートに出てくる「全壊・半壊」等の用語の説明は文末に記載してあります。

−目次−
   供給会社の属性
   供給会社の販売・施工エリアでの被災状況について
   輸入住宅の特長のアピールについて
   輸入住宅業界に望むこと
   ご意見

   

 供給会社の属性(会員10社が回答)

1.あなたの会社の、販売・施工エリアは何処ですか?(複数回答)

2.貴社は、輸入住宅を建設(供給)されて何年目ですか?

供給会社の販売・施工エリアでの被災状況について

 
津波を除く被害
津波被害
 

被害状況

強度変形
地盤崩壊
液状化
類焼被害
津波
合計
全壊
0
1
0
1
6
8
半壊
0
0
0
0
27
27
一部損壊
1
61
82
0
135
279
多少の被害・被害無し
 
4817
合計
1
62
82
1
168
5131
3.供給住宅被災状況件数はどの程度ですか?
  ■ 全壊( 8 件)
  ■ 半壊( 27 件)
  ■ 一部損壊:( 279件)、
  ■ 多少の被害及びなし:7社(4817件)
  ■ その他:3社( 強震変形:0件、地盤崩壊:61件、液状化:82件、類焼:1件、津波:168件 )
  注:福島県の避難区域内は正確な情報なし
  (*回答者全供給戸数:14,934棟、)
3−1.「一部損壊」とお答えいただいた方に質問いたします。
  「一部損壊」の具体的な被害事例をお書き下さい。
   ・屋根瓦のづれ
   ・内部壁クロスヒビ
   ・外壁クラック
   ・給湯機器(転倒ズレ)

3−2.「多少の被害及びなし」理由は何だとお考えですか?
   ■地盤が頑丈でかつ建物構造が強かったから:6社(876件)、
   ■輸入(2x4工法)の建物だから:5社、(1067件)
   ■その他(48件)(地盤改良を厳しくやっていたから)

3−4.津波以外での被害状況



 輸入住宅の特長のアピールについて

4.今後の復旧・復興の機会として、輸入住宅の特長について何を伝えたいと考えていますか?
   ■輸入住宅の品質と断熱性能(省エネ性):6社、
   ■耐震性能:7社、
   ■街づくり等コミュニティー性:2社、
   ■耐久性(長期優良住宅):3社、
   ■その他:1社(・デザインの多様性)



 輸入住宅業界に望むこと

5.輸入住宅業界に望むことはなんですか?


 ご意見

 メーカーからの意見
  
1)被災建物について、弊社のお客様の家の被害修復は、ほぼ終了しています。幸い、大きな
 崩壊等のお客様はおりませんでしたが、現在、被災した建物の代替え住宅の建築の受注
 も頂いており、二重ローンになってしまっている方もたくさんいらっしゃると思います。
 災害以降、お客様の住宅の要望の中には、外観デザインなどの他に必ず『地震に強い家が
 良いです』という言葉がでてきます。今まで想像もしていなかった出来事を体感して、
 お客様が求める家づくりも変わってきたように思います。今回、このような震災があった
 からこそ、家族が安心して住める家を求める方が多くなってきたのではないかと思いま
 した。

2)災害に問わず建築部材の交換がしやすい計画が必要と再認識させられた。

3)流行に左右されないデザイン、再生することの重要性をアピールしたい。


回答企業
会社名:@フジノホーム、A東急ホームズ、B太平住宅、Cフロンヴィルホーム千葉、DTDF、 Eメープルホームインターナショナル、Fセルコホーム、Gスウェーデンハウス Hアトラストハウス、 Iアーデンホームいわき

 お住まいの方々からのご意見   

ご回答者の住まいは、宮城県「4件」、茨城県「1件」、千葉県「2件」
  被災状況は、全壊「2件」、半壊「1件」、一部損壊が「1件」、
  (尚、1件の全壊物件は、保険上の全壊で建物は残っている。)

 

「一部損壊」の事例は、「クロスの割れ等」
「多少の被害及びなし」の理由を聞くと、「 輸入(2x4工法)の建物だから」
「全壊・半壊」の理由を聞くと「3件とも津波被害」「沿岸部は、津波の影響に尽きる」
津波以外の原因は、「液状化」


輸入住宅にして良かった点は
  ・ 輸入住宅の品質と断熱性能(省エネ性)「4件」、
  ・ 耐震性能「5件」、
  ・ 街づくり等コミュニティー性が、「1件」、
  ・ 耐久性(長期優良住宅)が「1件」。
  ・ デザイン性豊かな部材、仕上げの自由さ、幅広さであった。


そのほかのご意見
  ・ 輸入住宅という言葉が実態とかけ離れつつあるイメージを正確に伝えた方が良い
  ・ 津波以外では無被害、停電時のわずかな“暖”でぬくもりを感じた。
  ・ 対応の早さに感謝する。
  ・ 津波の被害に関してですが、我が家の場合、構造床を外せないため、泥だしの様子が確認
   できない点に、不安があります。また、構造釘で補強していただきましたが、海水に浸った
   ことにより、長期間の強度が保てるか不安があります。




 用語の説明    ⇒TOPに戻る
全  壊 住宅が滅失したもの、具体的には、住宅の損壊または焼失部分の床面積がその延床面積の70%以上に達した程度のもの、または主要構造部の被害額がその住家の時価の50%以上に達した程度のもの。
半  壊  住宅の損壊が甚だしいが、補修すれば元どおり使用できる程度のもの、具体的には、損壊部分が延床面積の20%以上70%未満、住家の時価にすると20%以上50%未満のもの、また、ある程度住家が傾斜したもの。
一部損壊 上記の程度を下回る損壊を受けたもの、多少の補修は必要な被害が発生した住家。
多少の被害有 壁紙に皺がよったり、少し裂け目が入ったり、家具の落下等により床材が一部傷ついたりした程度の被害が生じたもの。当面、そのまま居住してもほとんど支障はないもの。
被 害 無 ほとんど被害が見られなかったもの。もちろん、継続して居住することに支障のないもの。
強震変形 震度6弱以上の地震動による直接的な建物被害。
地盤崩壊 震度6弱以上の地震動により、敷地及び敷地に隣接する擁壁の傾きや割れにより地盤が崩壊することによる間接的な建物被害。
液 状 化 震度6弱以上の地震動により、敷地地盤が液状化することによる間接的な建物被害。
類焼被害 地震動により発生した他の建物や物の火事で一緒に焼けること
津波被害 津波による建物被害。津波波力(浸水も含む)による間接的な被害及び衝突物による間接的な被害。
■震災用語の説明:出展
 全壊から多少の被害まで:H13内閣府政策統括官通知
 強震変形から津波被害まで:日本2x4建築協会にて策定したもの(阪神淡路大震災から)
  ⇒参照文献